日本語ガイド

ヨーロッパでは本業とは別にアルバイトでガイドをやっている日本人が結構います。バイトと言えどキチンと資格は持ってるんだけど、でもやっぱ本業ではない。
人を案内するのが好きでホスピタリティ精神に溢れてて、自分も楽しみながらガイドをやっている人もいるけど、単に生活が苦しくてお金のためにやっている人もいます。研究者とか留学生なんかそうね。

むかしイギリスの大英博物館に行った時のガイドがまさしくそれで、「私はガイドなんかじゃないのよ」という態度を終始むき出しにしてて(いや、ガイドだろう。)説明も投げやり、マニュアル通りに話すだけ、こちらの質問には答えられない。

そりゃそーだ。
昔から芸術や歴史に興味がなくて、ガイド試験にギリギリ合格するレベルの知識の人が、歴史好きな人間の質問に答えられるわけがない。大英博物館に展示してあるモノ以外の知識がないんだから。


そんなわけで最悪ガイドに当たって、あんなのに案内してもらうくらいならwikiで調べた方がいいわ。と思ったのでした。


さて、悲しいかな、アンコール遺跡の日本語ガイドも、もれなくそれです。
歴史にも遺跡にも興味がなく、お金のために日本語ガイドになる人がほとんどです。日本語ガイドは英語ガイドよりはるかに給料がいいから。理由はそれだけです。

もちろん日本に興味がないし、日本の文化も歴史も知らない。「クメール王朝って、日本で言うと平安時代くらいですか?」と言っても「ヘイアン?それ何ですか?」という感じ。タイの歴史に興味がない人が「アユタヤ時代?それ何ですか?」と言うのと同じ感じ。ガイドがそれでいいんか?てか、日本語を勉強しているのに日本に対して何も興味がわかないの?


子供の頃から本当に歴史と遺蹟が好きでもガイドスクールに行くお金が工面できない、日本語を習う時間がない農家の子どもなどはガイドになる道は閉ざされていて、少々余裕があってガイドの勉強をすることができて、さらにお金が欲しい人がガイドになる。歴史も遺跡も全然興味がない、ただただ高収入を得たい、それがアンコール遺跡のガイドだ。
と私は思います。
そして、それを助長しているのはガイドに高い料金を支払う日本人です。


試しにガイドさんがマニュアル通りの説明をした後で「つまり、この遺跡は何?」と聞いてみて下さい。だいたい適当なことを言うので、後でググってみたら全然違う、ってパターンだから。

私はドライバーやお土産屋さんやホテルで働いてる人に日本語を教えるのは全然構わないんだけど、自分自身 歴史がすごく好きだから、歴史にも遺跡にも興味がないけどお金のためにガイドになりたい、というカンボジア人に日本語を教えるのには抵抗を感じます。
明らかに私は間違ったことをしてると感じます。

東南アジア旅行にまつわるアレコレ

バンコク在住の筆者が東南アジア情報について語ります。

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